医療法人の保険未収入金について説明してください

 

社会保険診療報酬は、その月の診療点数を翌月10日までに請求することで、翌々月の20日前後に社会保険診療報酬支払基金等の報酬支払機関から振り込まれます。実額で計上しようとすると2ヶ月遅れとなり、一定の方法で診療点数を換算し未収計上します。会計では発生主義(診療したときに収入とする)をとっており、実際の収入と費用のバランスをみる上でも未収計上することが必要となります。総診療点数はレセプトコンピュータ等で算出できるので、その総点数より負担割合等を引いて計算し、理論的に2ヶ月後に振り込まれる金額を算出します。これにより概算で診療報酬を未収計上して、2ヶ月後に入金される実際の金額との差額を調整します。例えば、概算計上を800万円としていたところ、実際の振込みは810万円あった場合の計上方法は以下のようになります。
平成〇〇年4月概算計上
医業未収入金800万円/保険収入800万円
平成〇〇年6月4月分入金
保険収入 800万円/医業未収入金800万円
このように、6月に4月分の逆仕訳をおこない、次のように入金された実額を売上金(診療収入)として計上します。
普通預金 810万円/保険収入 810万円
保険未収入金は月末にならないと確定せず、医療法人から見れば治療費(収入)の30%ほどを患者から現金で貰い、70%ほどは社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会から2ヶ月後に振り込まれる仕組みとなっています。その入金の通知がいつも月末になるので、あらかじめ想定して管理することが大切です。
保険未収入金を含めた管理や作業は、専門家に委託した方が本来の医業の妨げにならず効率的ですが、医療法人を数多くクライアントとしている税理士や会計士は月末の申告作業が集中するので、あらかじめスケジュール等を打ち合わせておきましょう。医療法人は法人事業税が一般法人よりも有利になっているので、その計算が一般法人よりも複雑になっています。スケジュール的には問題があるかもしれませんが、医療法人に長けた専門家に依頼をする方がよいでしょう。

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