修繕費について説明してください
修繕費とは、減価償却資産の価値をできるだけ維持するためにおこなう、復旧程度の修理・改良等の費用であり、支出した事業年度の損金に算入します。修理・改良等をおこなうことで資産の価額が増加した、その使用可能期間が長くなったという場合には、価値が増加した分あるいは使用可能期間が延長した分を資本的支出とみなします。資本的支出は一事業年度の損金には算入せず、固定資産の取得価額として減価憤却の手続によって費用化します。修繕や改修の費用を修繕費とするか資本的支出とするかの判断は難しく、これを形式的に判断できるように取扱いを簡素化する通達が出されています。それによると、明らかに資本的支出に当てはまる場合を除き、一の資産に対して修理・改良等のために支出された金額が60万円以下であるか、前期末における資産の取得価額の10%程度以下であれば修繕費、それを超えれば資本的支出となります。
法人がその有する固定資産の修理・改良等のために支出した金額のうち、当該固定資産の通常の維持管理のため、またはき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額が修繕費となります。例えば、次に掲げるような金額が修繕費に該当します。
・建物の移えいまたは解体移築をした場合(移えいまたは解体移築を予定して取得した建物についてした場合を除く)における、その移えいまたは移築に要した費用の額。ただし、解体移築にあっては旧資材の70%以上がその性質上再使用できる場合であって、当該旧資材をそのまま利用して従前の建物と同一の規模及び構造の建物を再建築するものに限る。
・機械装置の移設に要した費用(解体費を含む)の額。
法人がその有する固定資産の修理・改良等のために支出した金額のうち、当該固定資産の価値を高め、またはその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となります。例えば、以下のような金額は原則的に資本的支出に該当します。なお、建物の増築や構築物の拡張、延長等は建物等の取得に当たります。
・建物の避難階段の取付等、物理的に付加した部分に係る費用の額
・用途変更のための模様替え等、改造または改装に直接要した費用の額
・機械の部分品を特に品質または性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した費用の額のうち、通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる費用の額を超える部分の金額