医療法人の事業報告について説明してください

 

医療法人の社員、評議員、債権者から決算書等の閲覧請求があったときには、正当な理由がない限り開示しなければなりません。開示する書類は、事業報告書等、監事の監査報告書、定款または寄附行為です。医療法人の透明性の確保を図る観点から医療法改正により、医療法人は毎会計年度終了後2ヶ月以内に事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書、その他厚生労働省令で定める書類(以下「事業報告書等」)を作成しなければなりません(医療法51条)。作成された事業報告書等は、理事から監事に提出されます(医療法51条②)。監事は監査をし、監査報告書を作成することになります(医療法46条の4③三)。事業報告書には大きく、医療法人の概要と事業の概要が記載されます。
・医療法人の概要
医療法人の概要には、医療法人の「名称」「事業所の所在地」「設立認可年月日」「設立登記年月日」および「役員及び評議員」が記されます。「役員及び評議員」には役員の種別(理事長、理事、監事、評議員)、氏名、職務等が記されますが、社会医療法人および特定医療法人以外の医療法人は記載しなくても差し支えないとされています。
・事業の概要
「本来業務」「附帯業務」「収益業務」の概要の他、「当該会計年度内に社員総会または評議員会で議決又は同意した事項」等が記載されます。事業報告書等は閲覧に供しなければならないので、事業報告書は決まった期日までに都道府県に提出することが必要です。
社会医療法人を除く医療法人は、事業報告書、財産目録、損益計算書、貸借対照表、監事の監査報告書、定款または寄附行為の書類を各事務所に備えておき、その社員もしくは評議員または債権者から請求があった際には、正当な理由がある場合を除いてこれらを閲覧に供しなければなりません(平成19年4月1日以後に始まる会計年度から適用)。事業報告書等の閲覧について、この閲覧を行わないことができる「正当な理由」としては法人の執務時間外の閲覧請求などの場合、個人情報の保護の場合や法人の業務の運営が不当に害される恐れがあるケースが考えられます。また、都道府県への届出書類は債権者等のほか一般の者も閱覧でき、閲覧請求があった場合には正当な理由があるか否かを問わずにこれを閲覧に供しなければなりません。閲覧の対象書類は過去3年間に提出された新様式の書類についておこなわれるので、基本的には過去3年間に提出された書類が閲覧対象です。事業報告書の提出期限はきちんと守り、顧問税理士に期限内に提出できるようあらかじめ相談しましょう。

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