医療法人の機関について説明してください
医療法人社団の運営機関には、社員総会、理事会並びに監事があり、医療法人財団の運営機関には、理事会、評議員会並びに監事があります。医療法人社団においては社員総会が法人の最高意思決定機関であり、ここでの法人運営の重要な事項については社員総会の議決が必要です。医療法人社団には、運営機関として社員総会と理事会が設置されており、社員総会は定時総会と臨時総会とに分けられます。
法人の行う行為はすべて定款等法令または社員総会の決定に拘束され、理事長でも独断の処理はできません。日常の業務については社員総会等の委任を受けているものとみなしますが、一定の範囲を超える新たな業務(高価な物品の購入、改修、借入金)は、必ず法人の最高意思決定機関である社員総会の議決にて決定します。社員総会は定款の定めにより定期的に開催する必要があり、議決すべき議題がある場合にはその度に臨時総会を開催することができます。理事会は社員総会で決定された事項を執行する機関であり、これを監査する機関として監事が置かれ、法人の財産状況や理事の職務執行状況等の監査をおこないます。
監事とは、医療法人の内部管理を目的として業務や財産などの監査を担当する者のことであり、改正医療法によって監事の業務が強化されました。株式会社では監査役に当たり、原則的に1人以上置くことが求められています。監事は医療法人の業務や財産の状況を監査するため、実際に法人監査業務を実施できない者が名目的に選任されていることは適当でなく、公平に財務諸表を監査できる者が選任されることになっています。また、監査業務をおこなうことから独立性を担保するため、理事、評議員および法人の職員を兼任していないこと、他の役員と親族等の特殊の関係がある者ではないこととされています。医療法人の監事には次の業務があります。取引関係のない知人等の外部の第三者に依頼することが必要ですから、監事の選出に迷う場合は専門家に相談しましょう。
①業務と財産の状況を監査すること
②業務又は財産の状況について、毎会計年度監査報告書を作成し、当該会計年度終了後3ヶ月以内に社員総会または理事に提出すること
③①の規定による監査の結果、医療法人の業務、財産に関し不正の行為、法令、定款、寄附行為に違反する重大な事実があることを発見したときは、これを都道府県知事、社員総会、評議会員に報告すること
④③の報告をするために必要があるときは、社員総会を招集すること
⑤業務と財産の状況について、理事に対して意見を述べること